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山に癒されて

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遠見尾根から五竜岳へ

黄金週間の楽しみのひとつは春山へのテント山行。

家の雑用は4月末に片付けて、
5月3、4日の1泊2日の行程で後立山の五竜岳を訪ねました。
今年は例年にない残雪の影響もあって各地で山の遭難が相次いでいます。
この時期の沢筋は雪崩の心配もあり、
五竜岳へは遠見尾根からのアプローチ・ルートをとりました。
(もっともこの時期に五竜岳に入るといったら、遠見尾根のほか、八方尾根から唐松岳経由位しか考えられませんが………)

山麓駅から始発のテレキャビンで標高1500㍍余のアルプス平へ(8:30)。
もうここは春スキーを楽しむ人たちや登山者で賑わう遠見尾根の一角です。
地蔵ノ頭あたりまでやってくると、スキー場のDJの騒々しい音も消え、春の後立山をめざす登山者たちの世界。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_2057845.jpg見返り坂を一番のテレキャビンでやって来た登山者たちの列が続きます。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_2058164.jpg小遠見はピークをトラバースして右折、いよいよ正面に屹立する五竜岳に向かいます。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_2112973.jpg残雪のこの季節、G2の北東面には「武田菱」の雪形がくっきり。
「御菱」は五竜の山名由来とも言われています。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_2163117.jpg遠見尾根はアップダウンを繰り返す長い尾根。
そんな尾根の途中に位置するのが中遠見。
尾根筋を一旦下って、後立山の主稜線は大遠見、西遠見の彼方、
アルプスのアプローチにふさわしい長大な尾根です。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21112345.jpg後立山の主稜線に取り付く手前、遠見尾根最後のピークが西遠見(13:30)。
主稜線が西風をさえぎってくれるこの位置は絶好のテントサイト。
翌朝、不必要な装備はテントにデポ、身軽に五竜の山頂にアタックできます。
そんなことよりも、テントを張った西遠見は正面に鹿島槍ヶ岳の荒々しい北面を望み、
反対側には雄大な八方尾根と、その先に唐松岳を望む大展望台。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21194584.jpgとくに、カクネ里に切れ落ちる鹿島槍北面が威圧的にそびえる様は日本離れした風景を見せます。


山行二日目の早朝、周囲が明るくなるのを待って出発です(4:30)。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21242581.jpg白岳と五竜岳の間のカール状の急斜面を一気に標高を稼ぎます。
早朝の凍りついた雪面をアイゼンが着実にとらえます。
白岳と五竜岳のコルに近づいた頃、たどってきた道を振り返ると、
朝の光の中に遠見尾根が浮かび上がります。



遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21305968.jpgいよいよ五竜岳への登りです。
季節風に雪は吹き飛ばされ、岩肌の現れた黒部側をたどります。
G0、G2の岩峰は黒部側を巻くようにしますが、
それでもそれぞれの肩の部分は凍りついた岩場を慎重に越さなくてはなりません。
真下に黒部の谷にそのまま落ちる急斜面をへつりながら少々緊張するところです。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21365456.jpgG2を越え、50㍍ほどの雪壁を直登すれば五竜岳(2814㍍)山頂(6:25)。



遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21391160.jpg山頂からは360度、北アルプスの大パノラマが広がります。
これまで見上げていた鹿島槍ヶ岳も目線の高さです。


遠見尾根から五竜岳へ_e0014441_21424280.jpgそして北方に目を転ずれば、後立山の稜線は唐松岳を経て白馬三山へと続きます。
by genki_hirokun | 2006-05-06 21:55