2006年 08月 08日
白馬岳、夏
白馬岳を訪ねました(8月4日~5日)。
梅雨明けを待ちかねてのテント山行です。 白馬はこれまでもいろいろな山行形態、ルートで歩いている山ですが、 今回は猿倉を起点に大雪渓を詰め、村営小屋裏のテント場で幕営、 翌日、白馬岳山頂に立ったあと、再び大雪渓を猿倉に下るオーソドックスなコース。 大雪渓の雪の感触と登山道沿いに咲き乱れる高山の花たちを愛でる 白馬登山の原点を確認するような山行です。 山麓のペンションに前泊した翌朝、 山行初日は、猿倉に入る手前で遭遇した大型トラックの事故に2時間ほど現地で待ったあげく、事故現場のずっと下にクルマを置いて出発ということに。 少々アプローチの距離が長くなってしまいました。 そんなハプニングはあったものの、猿倉から先はいつもの白馬岳。 大勢の登山者の行列に加わっての白馬登山のスタートです。 たちまち、自分も白馬の大自然の一部に溶け込んでしまうのが山の魅力というか、魔力。 大雪渓、葱平、小雪渓、「ゾウ岩」のお花畑、 おなじみのコースをたどっているうちに 日頃の雑念などは、どこかに消えています。 本格的な夏到来、村営小屋裏のテント・サイト、ここもカラフルなテントのお花畑が広がります。 旭岳の向こうに沈む夕日は剣や立山を美しく染め、 そして半月が地平線に沈むと頭上に満天の星空が広がります。 翌朝は白馬山頂へ。 遠く富士山まで確認できる360度の大展望、頬に当たる寒風も心地よい大自然の呼吸です。 下りも往路と同じルート、花々を愛でながらののんびりトレイルです。 もっとも、8月最初の土曜日ということもあって、 それこそ登山口から山頂まで切れ目のないほどの登山者の行列に コースを譲ってもらいながらの下山といった方が適当かも。 最初に書いたように今回は白馬の花巡りも目的のひとつ。 山麓から始まって3千㍍の稜線に至るまで、 次々に登場する花たちにカメラを向ける回数も増えます。 出会った花のすべてを紹介することはできませんが、 山の風景や可憐な花たちの表情から高山の雰囲気が少しなりとも共有できればと思います。 梅雨明けの夏空の下、大雪渓をたどる登山者の列が続きます。 小雪渓から俯瞰する大雪渓、切れ目のない登山者の行列は白馬の夏の風物詩。 氷河時代の名残りといわれる「ゾウ岩」の周囲にはミヤマキンポウゲやハクサンイチゲなどのお花畑が広がります。 白馬山頂から望む後立山の稜線。杓子岳、白馬鑓ヶ岳の向こうには鹿島槍ヶ岳の双耳峰、そしてはるか彼方には槍・穂高の特徴あるスカイラインも。 主稜線を見上げる二重山稜の谷間に位置するお花畑に囲まれたテント・サイト。一日の山行を終えた登山者たちの表情は皆、満足気です。 夕食後、テント・サイト裏の主稜線に登ると、旭岳の向こうに夏の日が沈んでいくところ、剣岳や立山三山の暮れなずむ風景に平和な山の一日に感謝。 岩屑の斜面に咲くコマクサ、高山植物の女王にふさわしい別嬪さんです。 テント・サイトを取り巻く斜面は一面のお花畑。フライシートを上げれば、目の前にちょっとすまし顔をしたハクサンイチゲやウルップソウ、シナノキンバイ、チングルマなど、それぞれ短い夏を謳歌しています。 ウルップソウは本州では八ヶ岳とここ後立山にのみ咲く高山植物。鮮やかな青紫が魅力的です。 夏空の下、クルマユリの朱色は緑の斜面のアクセントです。 杓子岳を背景に咲くミヤマタンポポ。 シナノキンバイの大きな黄色い花は夏の高山に欠くことのできないキャラクター。 杓子岳や雪渓を背に咲くテガタチドリ、存在感があります。 頚城の山々と背比べをしているようなオオカサモチ。 ハクサンイチゲの白い花は三千㍍のスカイラインに似合います。 大雪渓の斜面に咲くハクサンコザクラ、休憩中の登山者たちをやさしく見守っているようです。 雪渓を背にウサギギクの群れがダンスをしているよう。 白馬尻の水気の多い斜面ではキヌガサソウの日輪のような花が出迎えてくれます。 山麓の潅木帯、ベニバナイチゴの鮮やかな赤紫の花に思わずカメラを向けました。 サンカヨウも山麓の代表的な花、大きな葉の上に咲く半透明の白い花がひょうきん者です。
by genki_hirokun
| 2006-08-08 06:16
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